「あっ」
空を見上げて立ち止まる。
珍しい形の雲が、気持ち良さそうに流れていた。
その形は君との思い出の記憶を連れてきた。
あれは、まだ僕が自分の気持ちに気付いていない時だった。
雲の形そっくりの物を手にした君が聞く。
「何に見える?」
何に見えるって聞かれても、それを何だか知ってる者には返って答えは難しい。
彼が真ん中に空いた穴から、僕を覗き見る。
その射抜くような視線に、身体が動かない。
いつも知る彼とは違う視線。
こんなに熱い視線で見られたことはない。
内心の動揺を知られないように、ふっと視線を外す。
「ねえ、何に見える?」
再び聞かれて、恐る恐る視線を戻すと、更に熱を帯びた視線に射竦められた。
何に見えるかって?
それはきっと、
「鍵」
僕の心をこじ開ける唯一の鍵。
僕はその日、その鍵のせいで自分の恋心を認識した。
彼が好きだ。
と。
Fin.
皆様、おこんユスはm(__)m
本日、職場の窓からこんな雲が見えました。
この雲を見て、
と、思ったので上の小説を書いてみました。
たまには空も眺めるものですね。
こんなユス菌が散りばめられているのなら(^_^)


