異人。の手帖(カイエ) -cahier de l'étranger-
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出てきたのは昔の手紙の束

父、母、恋人たちに友人たち・・・



中には思い出せない人からの手紙もある

誰だろう・・・

何処で知り合ったのだろう・・・



いくつかを読み返す

「幸せになりたい」と訴える恋人からの手紙、熱く友情を語る友人の手紙に今更ながら目頭が熱くなる


そして、不甲斐ない自分を支えてくれた後輩からの心の篭った手紙に胸が痛む

自分はその手紙に返信しただろうか

その後、暖かい言葉の一つでも掛けただろうか


最後の年、エゴを炸裂させ、一年間をほとんど誰にも会うことなく、怒りの炎を撒き散らし、全てに背を向けて姿を消した

申し訳ないことをした

誰も傷つけるつもりはなかったのだが


不愉快な出来事は今でも昨日のように思いだせるのに

いたらなかったこと自らの行いは都合よく忘却されている我が身の愚かさ


願わくば、関わりのあった人たち皆が幸せな家庭を築き、笑顔で毎日を過ごしてくれていますように

私は終焉に向け、微笑みと安堵とは縁のない闇の獣道を突き進む




「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」



言葉が全身を貫く



異人。

・・・

・・・



異人。