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GreatfulCinema:映画感想文

新旧問わず、僕が観た映画の感想を
解説を交えたりしつつ書いて行きます。

僕がこないだ読んだ沢木耕太郎氏の"世界は「使われなかった人生」であふれてる"で紹介されていた
『フィッシャー・キング』という映画を観てみた。

テリー・ギリアム監督による映画で、名前はなんとなく聞いたことがあるがどういった映画を撮る監督なのかは全く知らない。

沢木耕太郎氏の文章に魅せられて観たようなもんなのでその辺は気にせずに観始めた。

$映画が好きだ:評論家気取り映画感想文

人気DJのジャック・ルーカス(ジェフ・ブリッジス)はいつもの様に自身のラジオ番組にて過激で挑発的なジョークを飛ばしていた。
どうやらこのラジオ番組は視聴者からの電話相談にジャックが受け答えするといった趣向の番組らしい。そして電話相談の常連となる視聴者もいるようだ。

おそらく常連であろう内気そうな男から、とあるバーで見かけた女性に関する恋愛相談が来るのだがジャックは、そのバーにいる奴らは全員敵だ、殺しちまえ、といった過激なジョークで応対する。

おそらくそういったネタの番組なのであろうが、電話をした男はどうやら人生においてこの番組でのジャックとの交流が唯一の交流らしく、ジャックの言葉を真に受けて本当にそのバーで殺戮を繰り広げて自身の命まで絶ってしまう。

ジャックはその事件をTVニュースで知り、映画はそこから三年後まで話が飛ぶ。



かつて高級マンションで彼女と暮らしていたジャックは、落ちぶれて現在の彼女であるアン(マーセデス・ルール)の経営するビデオショップで酒びたりになってヒモのような暮らしをしていた。

ある日、この現状に嫌気がさしたジャックは泥酔した状態で自殺を試みる。
しかし自殺を図る前に不良少年に襲撃されてしまう。
そこへホームレスのパリー(ロビン・ウィリアムス)が現れ、なんと不良少年を撃退してしまうのだ。
なんとも小汚いロビンフッドのような風貌で、ホームレスと言えどもとてもまともではない。

気を失っていたジャックパリーのねぐらで目を覚まし、そこでパリーから自分は選ばれし者だと言われ、何故か町の大富豪のおっさんの所持する聖杯を取りに行くのを手伝ってくれと頼まれる。

初めは相手にしていなかったジャックだが、実はパリーはもともと大学教授でかつて自身のラジオ番組で発した言葉が原因で起きた例の事件で妻を失い、失語症に陥ってからの今があるということを知る。

そのせいで妙な罪悪感に苛まれ、少しパリーと行動をともにすることにする。
一緒にいるうちにパリーの純真さやフリーダムなところに段々惹かれていってしまうジャック。

そして、罪悪感からというのもあるかもしれないが、パリーが密かに行為を寄せる女性リディア(アマンダ・プラマー)との仲を取り持ってやろうと計画をたて、見事その計画は成功したかに思えた。

しかしパリーは意中の女性といい感じになることにより、過去に妻を失ったトラウマが蘇り、更にパリーが撃退した不良少年に仕返しをされ、入院することになってしまう。

外傷だけならよかったのだが、トラウマが蘇ったことによりパリーはまた口をきけなくなってしまう。

その頃、パリーに対する罪滅ぼしが出来たと感じていたジャックは仕事に復帰する方向で動いていたのだが、パリーの現状を知り、おっさんの聖杯を盗みにいくことを決意する。

そして、見事聖杯を盗み出したジャックはそれをパリーの元へ届けると、奇跡的にパリーは回復する。

こうしてジャックパリーが固い友情で結ばれていることを確認して物語は幕を閉じる。



シリアスな描写を交えつつも、結果なんともハッピーな映画だった。
こういった普通には出会う事のないであろう者同士の友情というのは観ていていい気持ちになる。

ところで、『フィッシャー・キング』というタイトルと話がどうもマッチしていないと思う方も多いと思うが、実はこのタイトルはキリスト教の何かしらの話に出てくる聖杯伝説の話で、ちょうどジャックパリーに心を許し始めたころにパリーがその伝説を引用するのだが、この聖杯伝説がこの映画の物語の元ネタのような感じもする。

あいにくその引用を覚えていないので是非この映画を観ていただきたい。

同じような友情物で『八日目』という映画があるのだが、こちらも機会があればここに記させてもらいたい。