金曜日の米国主要市場では、ダウ平均が5営業日ぶりに反発しました。前4日間で930ドル以上下落した後、自律反発の動きが強まりました。また、心理的節目である50を下回ったものの、11月のISM製造業景況指数(49.3)が市場予想(48.0)を上回ったことが買いを先行させる要因となりました。午後2時頃には42,782ドル(+380)まで上昇し、その後も堅調に推移しました。NVIDIA、ユナイテッドヘルス、マイクロソフトなどの株が指数を押し上げました。一方、ナスダックは急反発しました。NVIDIAやマイクロソフトに加え、メモリチップメーカーのマイクロンやAMDなど半導体セクターも好調でした。
テクニカル面の分析:
ダウ平均は5営業日ぶりに5日移動平均線を突破し、42,000ドル以下に支えがある感触が見られました。上昇トレンドの勢いが強まりつつあり、12月の下落分のフィボナッチリトレースメント(0.382)や12月下旬の回復高値である43,352ドルを突破することへの期待が高まっています。ただし、42,300ドルを下回る場合は41,800ドル水準への深い調整に注意が必要です。
フィラデルフィア半導体指数(SOX)は、11月以来の4,900~5,300ドルの範囲内で推移しており、引き続き横ばいながらも安定した形態を維持しています。
米国長期金利(10年国債利回り)は、4.5%の節目を突破した後、一旦上昇が一服しました。9月以降1.0%以上の上昇を背景に、当面は整理を挟みながら上下変動する見込みです。この動きがニューヨーク株式市場の上昇とドル安の主要なトレンドを形成しています。
市場の動向予測:
12月初以来の金利上昇と株価下落トレンドが反転しているとのテクニカル面の示唆を基に、FOMC議事録や雇用関連指標を経て市場のFRBの金融政策に対する予想が調整されるとみられます。今後、ダウ平均は42,400~43,300ドルの範囲内で推移する可能性があります。
ダウ平均のPERは12月8日の28.27倍から26倍に低下しています。このため、新年の資金流入やテクニカル要因(43,300ドルの障壁突破)が株価上昇への追い風となり、44,000ドルへの挑戦が楽観的に見込まれます。一方、利上げ停止の予想を高めるような好材料が出れば、反発売りが優勢になるリスクもあります。
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