blindfold | 緋ノ響馨

緋ノ響馨

実話綴の緋と演技性の獣,響.

この景色は淋しい

貴方の歌声を至近距離で浴びる事が出来る

其処へ向かうまでの途轍もなく長い廊下

あの時はこれ程までに長く感じなかった

月曜だけは

切り裂かれようとも笑顔で此処を歩いて来たから

隣に貴方が居ない今

聴こえるはずのない歌声に狂わされて

私は今 一人でこの廊下を歩く …

貴方の微笑で開く扉に 今日も手を

此処に 貴方の温度が薄れてきている

人は当たり前を繰り返し無表情で通り過ぎて行く

私には出来ない

あの時と変わらない陽射しがこの身を照らしてくれたけれど

どんな光であっても貴方の光でなければ癒える事は無い

- この景色は、私にしか見えない。

1999.6.10