(第二期/左からトミー、ミック、ジョン、ニッキ-の史上初の全員黒髪期)
モトリー新作発売記念?
ジョン・コラビ在籍時を勝手にCOZYが熱く語る!
いきなりで何だが、モトリー・クルーが好きだ。
しかし、もはや誰もが忘れ去ってしまった
ヴィンス不在時の第二期モトリーも好きだ。
恐らく、そう思っている方、実は多い様に思う。
そんな
わたくしCOZYが、モトリー新作発売記念?
第二期モトリーを熱く語らせて頂きます(笑)
1991年、デビュー10周年記念としてリリースされたBEST盤が全米2位を記録(その時の1位は、記憶が正しければ確かニルヴァーナ/時代ですなぁ)、向かう所敵無し状態だったモトリー・クルーに衝撃が走る...。
ヴィンス・ニール解雇!!
このニュ-スは世界中のロック・ファンに衝撃を与え、後任が誰になるのか注目されたが、ニッキ-・シックスのお気に入りバンド「ザ・スクリーム」のジョン・コラビが加入するとニッキ-自ら即公表。
不安と期待が入り交じる中、苦節3年...
1994年にようやく完成/リリースの運びとなったのが
第二期唯一の作品「モトリー・クルー」である。
当時は赤ロゴ/黄ロゴの2タイプが発売となり
わたくしは初回盤としてリリースされた
赤ロゴを購入したのを憶えている。
さて、肝心の感想だが
わたしは正直、圧巻!アッパレ!
当時「ヴィンスじゃなくてもイケてるじゃん」と思った。
しかし世間は、下手くそだの
モダンになっただのと酷評の嵐...。
別に下手くそではない。
ヴィンスには到底不可能な実にハスキーな声...。
そう、根底にブルース魂を感じる声だ。
だから下手では無かった。
タイプの異なるヴォーカリストなのだっ!!
そしてモダンなサウンドは仕方がないと思う。
あくまでパーティー・ロックにこだわったヴィンスと
このままではいけないと感じた残り三人...。
別々の道を歩むのは必然の事だった。
それに解雇前に発表されたBEST盤の新曲だった
今や名曲「プライマル・スクリーム」からもその兆候は実は見え隠れしていた。
実に重たくて、モダンな音作りだった。
当然、次作では<モダン>な方向に進む事は間違いなかったのである。
だから、わたしは思う。
果たして<下手くそ/モダン過ぎる>
それだけで片付けてしまってイイのだろうか...。
ぶっちゃけ言おう!
その後、ヴィンスが復帰しての「ジェネレーション・スワイン」
「ニュー・タトゥー」より断然、「モトリー・クルー」の方が良かった!
更に言うなら、「モトリー・クルー」以降の音源で良かったのは
「グレイテスト・ヒッツ」に収録されていた
ボブ・ロックとの新曲ぐらい...。
(2005年にリリースされた最新BESTの新曲もパッとなかったしなぁ)
だから、こう考えてはどうだろうか?
もし、ヴォーカルがヴィンスのままだったら...。
そう、恐らくここまでの酷評は無かっただろう。
結局ラインナップにこだわり過ぎて
楽曲の良さが後回しになっているのではないだろうか。
実際に
「パワー・トゥ・ザ・ミュージック」、「アンクル・ジャック」
「ハマード」、「ティル・デス・ドゥ・アス・アパート」
「ドロッピング・ライク・フライズ」は
ギター/ドラム/ベース
どれを取ってもモトリー史上最強のサウンドだし
「ミスアンダー・ストゥッド」は
モトリー史上最大の構成力を持った楽曲だった。
そして
「フーリガンズ・ホリデイ」、「ラヴシャイン」
「ポイズン・アップルズ」、「ウエルカム・トゥ・ザ・ナム」は
ヴィンスが唄っていれば完全なオリジナル・モトリーだし
第二期の「キックスタート・マイ・ハート」とでも言うべき
「スモーク・ザ・スカイ」は
激ファストな楽曲で、その勢いといったらもう壮絶だっ!
「ドリフト・アウェイ」は
ジョンの声だからこそ成し得た、男泣きのアコースティック・バラード。
と、結局全曲良かったりする。
また、「ドクター・フィールグッド」での手腕が冴え渡った
ボブ・ロックの相変わらず素晴らしすぎる
分厚いサウンドに仕上げるプロデュースとも相性バッチリ!
サウンド・プロダクション的にも最高の作品だった。
そして、この第二期の来日公演も観た。
先に行われていた
ワールド・ツアーの動員数がさっぱり、ヴィンス時代の曲が唄えない...
などと、噂は耳にしていたがわたしは心底楽しめた。
あの「ドクター・フィールグッド」ツアーと同じ会場で観たのだが
確かにお客の数は少ない。
けど、それなりには入っていた。
それにわたしはヴィンス時代の名曲を
誠心誠意込めて唄うジョンの姿には好感がもてたし
決して<下手>の一言では片付けられない魂を感じた。
要するに別のシンガーが唄うのだから仕方の無いことなのである。
そしてステージ・セットが実にシンプルだった事
派手な演出も一切なし...。
初のアコースティック・セットも設けられ
生まれ変わった事を証明するかの様に
四人の男の力のみで繰り広げたこのライヴは
感動さえ憶えた実に素晴らしいものであった。
わたしが観た大阪公演は、たまたまトミーの誕生日だったという事もあり
メンバー全員ステージでお祝いをしたのだが
皆の笑顔が実に印象的だった(当然トミー、ケツ出してたけど/笑)
メンバー間の絆を感じられた素晴らしいライヴだった。
その後、ヴィンスを戻さないとアルバムは出さないなどの
拘束を受け、再びオリジナルに戻ったモトリーだったが
アルバム「ジェネレーション・スワイン」はパッとせず
ヴィンスとうまくいってなかったトミーが今度は脱退...。
などなど結局、その後も色々あった訳だが
結局何がいいたいかと言うと
ヴィンス不在だからこそ
とことん追求出来た作品だったという事だ!
仮にヴィンスがそれに付き合ってさえいれば
ここまで酷評される作品にはならず
むしろ<新たなるモトリーの始まり>
として歓迎すら考えられた作品なのである
(ヴィンス・ヴァージョンも聴いてみたいものだが
モトリーよりもモトリーらしいと言わしめた
素晴らしい1stソロをリリースしたのだから
それはそれで良かったのでは?)
なので皆さんも是非「モトリー・クルー」を聴いてみて欲しい。
ここには正に、光輝く未来を見据えたモトリーがあったのだから。
そしてジョン・コラビのそれに的確に対応した見事なヴォーカルぶりにも
耳を傾けて欲しい...。
本当に素晴らしい作品である。
だからわたしは第二期も好きで、愛して止まないのだ...。