被ばく隊長のデータ公表へ リンパ球4割に異常


旧ソ連ウクライナ共和国で1986年に起きたチェルノブイリ原発事故で、消防隊長として消火活動中に被ばく、2004年に死亡したレオニード・テリャトニコフさんの血液を検査し、リンパ球の4割で染色体異常があったとの結果が公開されないまま、広島市の放射線影響研究所(放影研)に保存されていたことが18日、分かった。


放影研は疫学調査を目的としているため、個人データの公表を控えていたが、分析した当時の遺伝学部長、阿波章夫さん(72)=同市佐伯区=がテリャトニコフさんの死を知り、放射線の恐ろしさを伝えようと公開を決意した。事故から20年を機に、近く論文として発表される。


テリャトニコフさんは、事故から3年半後の89年10月、講演のため広島を訪れた際、原爆被爆者の健康調査をしている放影研の存在を知り、血液検査を頼んだ。講演では「毛が抜けだし、手に赤い斑点ができ、20日間近く苦しんだ」と急性症状について語った。


血液リンパ球200個を調べた結果、染色体の一部が切れて別の染色体にくっつく「転座」などの異常が約40%の細胞で見つかった。


阿波さんは、この結果から被ばく線量少なくとも4グレイとみている。広島原爆の爆心地から900メートル~1キロに相当し、被ばくから60日以内に約半数の人が亡くなる線量という。


テリャトニコフさんは04年12月、がんのため53歳で死去した。
阿波さんは今年3月、染色体の顕微鏡写真に手紙を添え、共同通信の記者を通じてウクライナの首都キエフに住む妻ラリーサさん(58)に届けた。ラリーサさんは、夫の写真の裏に阿波さんへの感謝の言葉を書き記者に託した。
科学誌に投稿するため、データの精査を進めている阿波さんは「遺族にも伝えることができ重荷を下ろせた。論文は人生最後の大仕事のつもりで書きたい」と話している。

(共同通信 2006/04/18)


※4グレイ ≒ 4シーベルト



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NHK「チェルノブイリ原発事故その10年後」ネステレンコ教授

残念なことに多くの子どもたちの身体が今も放射能にむしばまれています。例えば事故現場から200キロ以上離れた村でも、子どもたちのうち23パーセントが白内障にかかったり、失明したりしています。


その村では84パーセント以上の子どもたちに不整脈が見られました。


まるで心筋梗塞の予備軍です。というより、すでに多くの若者が心筋梗塞にかかっているような状況です。
およそ80パーセントの子どもが、胃炎や潰瘍を患っています。


特にひどいのは12歳から15歳の子どもたちです。胃の粘膜が萎縮し、まるで70過ぎの老人のようになっています。


つまり放射線の影響を受けた子どもたちは、命の炎を急速に燃やし尽くし、将来病気になることが確定しているんです。

子どもは1キロあたり37ベクレル以上の放射能を含んだものを食べてはいけません。これは70ベクレルもありますよ・・」

http://blog.goo.ne.jp/jpnx02/e/d02defe21817584175d2d224922ef7ce



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