プルサーマル:米物理学者ライマン博士、知事に危険訴え 「稼働反対」で来日 /福島


青森県六ケ所村にある使用済み核燃料再処理工場の本格稼働への反対を表明するために来日した米「憂慮する科学者同盟(USC)」の物理学者、エドウィン・ライマン博士が20日、県庁で会見し、使用済み核燃料を再処理して製造したMOX(ウランとプルトニウムの混合酸化物)燃料を軽水炉で使用するプルサーマルの危険性を訴えた。


ライマン博士は「MOX燃料は通常のウラン燃料に比べ、放射性物質の量が多く、放射能漏れ事故があった場合に深刻になる危険度が高い」と話した。


また、「テロリストが盗めば、燃料集合体1体で核兵器を作れる」とテロに利用される危険性が高まると指摘、「警備体制の強化が必要であり、コストも増加する」と強調した。


これに先立って、博士は佐藤栄佐久知事と会い意見交換した。イランがウランを濃縮する権利を主張していることを挙げ「日本が六ケ所工場を稼働させれば、イランに濃縮の口実を与えてしまう」と述べ、再処理計画の中止を主張した。【上田泰嗣】

(毎日新聞 2006/02/21)