シンポジウム:チェルノブイリ原発事故20年 広大で現地医師が報告 /広島


◇ベラルーシの子、急性骨髄性白血病が増加 /広島
国際シンポジウム「チェルノブイリ原発事故20年とセミパラチンスク」が7日、南区の広島大医学部であり、ベラルーシ国立血液・小児がんセンターの医師が、00年ごろから同国内で急性骨髄性白血病を発症する子どもが増えているとの調査結果を発表した。


この病気が、一定期間を経て増えるのは原爆被爆者にも見られた傾向。シンポを主催した同大原爆放射線医科学研究所は、同センターと共同研究を行う。
事故は、86年4月26日に発生。4号炉が大爆発し、放射性物質が大気中に放出されたため、広範囲が汚染された。周辺住民は、汚染された食べ物を体内に取り込むことで起きる内部被曝(ばく)の危険にもさらされた。子どもの甲状腺がんの発生率が上昇した報告もある。


シンポでは、発電所周辺のロシアやベラルーシの医師が、白血病や甲状腺がんの発生状況を報告した。


同センターのナタリア・サバ副院長は、90~04年、同国で白血病を発症した14歳以下の子ども1117人を調査。878人が急性リンパ性白血病、170人が急性骨髄性白血病、69人がその他の白血病だった。


現在、発症率は急性リンパ性白血病では減少中だが、急性骨髄性白血病は増加。00~04年の発症率は90~94年の1.5倍になった。発症率は0~1歳と10歳以上で高いという。【遠藤孝康】

(毎日新聞 2006/02/08)



【関連情報】

チェルノブイリ事故から10年後、日本で乳癌死亡者数が激増

チェルノブイリ事故により降り注いだ「死の灰」が、どれほど地球を汚染したのか。そして福島第一原発事故により、チェルノブイリ事故時と比べ物にならない放射性物質が降り注いだ日本に、既に多くの健康被害が起こっている。しかし、それはまだ始まりにすぎない・・。

チェルノブイリの「死の灰」は、ジェット気流などで運ばれ、青森・岩手・秋田などの東北に強く影響がでた。

放射性物質が体内に入ってから乳ガンを発症し死に至るまでに平均して11~2年はかかるという。日本の都道府県別の経年の乳ガンの死亡率が12人(10万人あたり)を超えているのは、つぎの6県だけである。青森・岩手・秋田・山形・茨城・新潟。次図は、この6県だけをプロットした乳ガン死亡率の経年変化である(肥田前掲書p118)。


(1.2)の最初のグラフと比較してみると分かるが、死亡率が6人を超えるのは1994年あたりで、全国平均も上の6県もそこまでは似たようなものである。がぜん違うのはそのあとの数年間(1996,97,98)のピークである。その数年間だけ死亡率が急に倍以上の12人を超えている。これは、チェルノブイリ事故からちょうど10~12年であって、乳ガンの潜伏期間に相当していると考えられる。

http://blog.goo.ne.jp/jpnx02/e/6ba698e90091947fb88a2c8d8587518e