9カ月間、気付かず 英核施設の放射性溶液漏れ
【ロンドン29日共同】29日付の英紙インディペンデント・オン・サンデーは、英中西部セラフィールドにある使用済み核燃料再処理施設「ソープ」で起きた放射性溶液漏えい事故で、同施設を管理している「英核グループ(BNG)」が9カ月間も漏えいに気付かなかったと報じた。
漏えい発生は昨年8月だが、BNGが把握したのは今年4月。金属疲労を起こしていたパイプから放射性溶液が漏れ続けていたが、そのトラブルを警告していた表示計器に、担当職員が適切に対応できなかったという。
関係当局が原因調査に着手しており、同紙は、一部閣僚が同施設の閉鎖もあり得るとの見方を示したとしている。
(共同通信 2005/05/29)
放射能溶液漏れ、9カ月間放置の可能性 英再処理工場
29日付の英インディペンデント紙日曜版は、英中部セラフィールドのソープ核燃料再処理工場で4月中旬に発見された高レベルの放射能溶液漏れ(発見後操業停止中)について、パイプの破損が昨年8月に始まっていたのに、工場側が最長9カ月間事故を見過ごしていた可能性があると報じた。
工場を管理する特殊法人・原子力廃止措置機関(NDA)は工場閉鎖の決定を視野に入れ、政府側と協議している。
英国原子力グループ(BNG)によると、放射能溶液漏れは4月19日に発見された。配管の破断で、使用済み核燃料のプールから83立方メートルの硝酸溶液が工場内に漏れだした。
英紙などによると、BNGの事故報告書では、金属疲労により配管から溶液が漏れだしたことを示す指標が04年8月に出ていたという。
(朝日新聞 2005/05/30)