「データねつ造 福島原発でも」 業者の元従業員、浜岡に続き告発


東京電力の福島第1原発(福島県大熊町)、第2原発(同県楢葉町)の建設時に使われたコンクリート用の砂利を納入した業者の元従業員(45)=静岡県在住=が、「砂利の品質を保証するアルカリ骨材反応試験の成績書をねつ造し、危険性のある材料を納入した」と経済産業省原子力安全・保安院に内部告発したことを明らかにした。
アルカリ骨材反応は、コンクリート内のアルカリが砂利などに含まれる成分と反応し、強度が劣化する現象。元従業員は大手セメント会社が出資する砂利生産会社に昨年末まで勤務し、浜岡原発や福島第1、第2原発の建設時に現地子会社に出向して製造部門を担当していた。福島第1、第2原発の現地子会社には2002年9月に出向したが、当時の生産会社社長や子会社専務から「以前、データをごまかした」との趣旨の発言を聞いたという。このことから、01年4月までに数回、公的試験機関の検査結果を無害であるとねつ造し、アルカリ骨材反応が起こる可能性のある材料を納入していたことが分かったとしている。

(中日新聞 2004/08/13)