【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
労災認定:原発で被ばくの男性に 多発性骨髄腫では初


原発内の配管工事やその監督で被ばくし、骨髄がんの一種の多発性骨髄腫になったとして労災保険支給を請求していた元プラント建設会社社員、長尾光明さん(78)=大阪市西淀川区=に対し、富岡労働基準監督署(福島県富岡町)が労災認定したことが19日、分かった。原発労災認定基準では多発性骨髄腫は例示されておらず、白血病以外の認定は初めて。認定枠拡大の先例となる可能性がある。
多発性骨髄腫が進行すると、全身の骨が劣化し、突然、骨折する。さまざまな臓器に障害も起こる。


長尾さんは77~82年の4年3カ月間に、福島第1原発(福島県)、新型転換炉「ふげん」(福井県)、浜岡原発(静岡県)で作業に従事し、計70ミリシーベルト被ばくした。年間の被ばく量は電力会社の社員の平均の3~8倍だった。


厚生労働省の労災認定基準では、白血病の場合、「5ミリシーベルト×従事年数」以上の被ばくをし、被ばく開始から1年以上たって発病との条件がある。この基準に照らすと、長尾さんは約3倍の量の被ばくをしていたが、多発性骨髄腫の例示がなく、富岡労基署は本省に意見を求めた。厚労省の専門家検討会が、作業内容などや被ばく量の評価などから「被ばくと病気の因果関係あり」と判断を出したという。
原発作業では白血病で過去5人が労災認定されている。【大島秀利、東海林智】



原爆症に詳しい村田三郎・阪南中央病院内科部長の話 白血病でしか労災認定されなかった原発労働者被ばくで、多発性骨髄腫以外にも、悪性リンパ腫など白血病に関連する疾患の認定の道を開く可能性のある判断だ。

(毎日新聞 2004/01/20)



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~原発作業員の機密保持契約の内容~

将来の健康リスクに対する補償として
以下の金額を作業員本人に対して直接支給する。

被曝線量1msvにつき10,000円

http://blog.goo.ne.jp/jpnx02/e/6bf86892b85131353ead8b1931818bc8