【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

小柴氏が昨年本紙でITER反対訴え


ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊東大名誉教授は、2001年2月、ITER(国際熱核融合実験炉)の国内誘致に関する本紙の取材に応じ「ITERが新しいクリーンなエネルギーの開発につながると考えたら大間違い」などと、明確に反対の立場から持論を展開していた。東大本郷キャンパス内で約1時間、穏やかな笑みを浮かべながら取材に応じた小柴氏だったが、ITERの問題点に話題が及ぶと、一転厳しい口調となった。


“夢のエネルギー”と呼ばれる核融合については「重水素とトリチウムをぶつけてエネルギーを取り出せる核融合炉を本当に造るとすれば、経験したことのないような強力な中性子が大量に出てくる」と説明。


「どうやってそれに耐える炉壁を用意するのか」と、中性子が炉壁を直撃して放射線損傷を起こすという構造的欠陥を指摘した。


また「実際に使える核融合エネルギーというのは、今から20年、30年と地道な研究が必要だ」とも述べた。
誘致の理由として、本県や六ケ所村が地域振興につながる点を挙げていることに対しては「甘い夢を見すぎている。大きな施設を抱えたけど、結局モノにならなかったらどうするのか」と、疑問を投げ掛けた。


(東奥日報 2002/10/09)