【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
安全管理に疑問の声 作業は下請け任せか
目に見えぬ放射性物質を扱う原子力発電所で9日、火災が起きた。女川原発2号機で作業員2人がやけど、顔に放射性汚染物質が付着する事態にも、東北電力側は「原因は分からない」を連発。問題の作業工程は、下請け任せだった可能性もあり、同電力の安全管理を問う声が出ている。
出火現場は原子炉建屋内の地下1階にある「制御棒駆動機構補修室」。当時、作業員は、引火性溶剤が入っていた使用済みのスプレー缶を取り扱っていた。
東北電力幹部は会見で「下請け会社に聞かないと作業工程は分からない。作業マニュアルの有無も把握していない」などと語った。
しかし京大原子炉実験所助手の小出裕章さんは「作業現場は汚染の程度が高く、被ばくの危険がつきまとう。なおさら安全な工程が要求される。原発を所有する電力会社が『分からない』では常識的におかしい。どんな現場管理をしていたのか」と指摘。
一方、作業員2人は、身に付けた線量計の数値がゼロで鼻こうの検査でも「被ばくはなかった」という。
小出さんは「顔の皮膚に汚染物質が付いたのは事実。被ばくの程度としては恐らく問題はなくよかったが、念のために体内被ばくがないか尿検査もして確認すべきだ」と話している。
(共同通信 2002/02/09)