【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
MOX輸送は「テロの標的」 環境団体が反対声明
【ワシントン14日共同】製造データの改ざんが発覚し日本から英国に返還されるプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の海上輸送について、環境保護団体グリーンピースと核管理研究所(NCI)は14日「MOX燃料中のプルトニウムは核兵器などに利用可能でテロリストの格好の標的になる」として、事前同意しないよう米政府に求める声明を発表した。
このMOX燃料は計約255キロのプルトニウムを含んでおり、日本政府は英国への返還輸送について、日米原子力協定に基づき米国に事前同意を要請している。
NCIなどによると、エネルギー省から輸送に関する意見を求められた米国の原子力規制委員会(NRC)は9月11日の米中枢同時テロ事件直前の9月初め、米国の安全保障上の問題はないとの見解をまとめた。
しかし、エネルギー省はNRC以外にも国務省や国防総省の意見を求めており、その後2カ月以上たっても米政府の正式決定には至っていない。テロ事件が影響している可能性もあるという。
両団体は「テロ事件後の国際情勢は非常に不安定になった。エネルギー省は、テロ事件後、米国内のすべての核燃料輸送を差し止めたのだから、公海上の輸送も当然、認めるべきではない」と指摘。米政府や議会に、輸送を承認しないよう求めた。
このMOX燃料は、英核燃料会社(BNFL)が製造、関西電力が高浜原発(福井県高浜町)でのプルサーマル発電用に輸入したが、BNFLでの製造データ改ざんが発覚、日英政府が英国に返還することで合意した。
(共同通信 2001/11/14)