【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
1号機老朽化の指摘強まる 原発耐用年数の定めなし
中部電力浜岡原発1号機で、配管破断事故に続いて起きた原子炉漏水事故は、原子炉の中枢である圧力容器内の損傷が原因で引き起こされた可能性が高まったことで、1号機の゛老朽化″を指摘する声が強まっている。
浜岡町役場に11日午後、事態の説明に訪れた経済産業省原子力安全・保安院の広瀬研吉審議官に、同町原子力委員会の委員長が「事故は老朽化が原因ではないのか。原発の耐用年数を40―50年と設定しているが、何が根拠なのか」と詰め寄るなど、現地でも不安が高まっている。
中部電力によると、米国の原子炉施設の機器はライセンス制により耐用年数が定められているが、国内では原則的に年1回の定期点検を通過すれば使用は可能で「耐用年数はあってないようなもの」(中電静岡支店)。
水漏れが起きた制御棒を収納する「ハウジング」は設置以来、25年間交換されておらず、内部の本格的な点検もなかった。
1号機で13年前に起きた原子炉水漏れは、ハウジングと同じ材質、溶接方法をとる配管「インコアモニタハウジング」の溶接部分の応力腐食割れ(SCC)が原因。
市民団体「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」の長野栄一代表は「配管の破断や水漏れは原子炉の『心臓』に寿命がきていることの表れ。1号機と同じ時期に設置された2号機も経年劣化しているのではないか。修理だけで済ませたら同じことの繰り返しになる」と安全性を危ぶんでいる。
(共同通信 2001/11/11)