【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
「原発の段階的廃止」を日弁連が提言へ


日本弁護士連合会は、来月6日、岐阜市での人権擁護大会で採択予定の「エネルギー政策の転換を求める決議」案の中で、「原発の段階的廃止」を提言する方針を決めた。昨年9月の茨城県東海村での臨界事故や、ドイツの原発廃止決定などの国際的潮流を背景に、日弁連として初めて「脱原発」を掲げ、その道筋を具体的に示す政策提言をすることになった。

「原子力偏重から脱原発へ」との副題が付いた同決議案は公害対策・環境保全委員会(藤原猛爾委員長)のメンバーらを中心に、欧米への海外視察を繰り返しながら準備された。決議案では(1)既存原発の段階的廃止と新増設の停止(2)使用済み燃料の再処理の中止(3)高レベル放射性廃棄物の地層処分凍結などを提言する。

日弁連は「地球環境保全の立場」からプルトニウム利用などに対してはこれまでも批判してきたが、原発の是非については、会内合意の形成が難しく、明確な主張は避けてきた。しかし今回は相次ぐ事故などで、原発問題にかかわってこなかった弁護士からも「脱原発」の明確化に積極的な提案が出た。採択されれば、政府や電力業界には「新たな逆風の1つ」になりそうだ。

(朝日新聞 2000/09/27)