【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
原子力発電コスト 火・水力より高い? NGO試算


非政府組織(NGO)の「地球環境と大気汚染を考える全国市民会議」(CASA)はこのほど、原子力発電のコストは1キロワット時当たり10円を超え、水力や火力発電より高くついているという試算結果を発表した。政府は5.9円で最も安くつくと発表しているが、CASAは「算定の元になる詳しいデータが公開されておらず、疑わしい」と話している。

CASAによると、1989年度から98年度までの10年間の発電単価は1キロワット時当たり、原子力が平均10.26-10.55円、水力が平均9.62円、火力が平均9.31円だった。通産省は昨年12月に原子力5.9円、水力13.6円、液化天然ガス(LNG)火力6.4円などの試算値を発表している。

CASAは大島堅一・高崎経済大助教授に委託し、電力9社の1970年度から98年度までの有価証券報告書総覧のデータと通産省令で定められた発電原価を求める規則から、電源ごとに発電単価を求めた。これに、政府が発表している解体放射性廃棄物や高レベル放射性廃棄物の処理費用、電源三法交付金などを加算した。
政府試算が理想的なモデルプラントで発電コストをはじき出しているのに対し、CASAは実際の発電コストを計算し、さらに技術開発・立地対策費用を加えたことで、違いが出ているという。

(朝日新聞 2000/06/19)