【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
作業員5万5000人死亡 旧ソ連、ロ副首相が公表
チェルノブイリ事故
【モスクワ26日共同=及川仁】ロシアのショイグ副首相兼非常事態相は史上最悪の原発事故であるウクライナ・チェルノブイリ原発事故から丸14年の26日、事故炉の処理に当たった旧ソ連の作業員86万人のうち5万5000人以上がこれまでに死亡したことを初めて明らかにした。
同原発は今年末に完全閉鎖されることが決まっているが、チェルノブイリ事故の大規模な被害の実態がようやく明るみに出てきた。
副首相はモスクワ市内の墓地での犠牲者追悼式典で述べた。死者すべてが事故の後遺症によるものかどうかについては言及しなかったが、多くは作業時に浴びた放射線障害などが直接、間接の原因とみられる。
作業員は兵士や技術者、建設労働者で構成され、事故直後に爆発が起きた4号機やその周辺地域で消火作業などに当たった。
またベラルーシのルカシェンコ大統領も26日、同事故で1020万人いる国民のうち、5人に1人が約50万人の子供を含め被ばくなどの被災をしたことを明らかにした。
ウクライナ非常事態省当局者も同日、同国内の被ばく者総数約342万7000人のうち病気にかかっている人の割合は、作業員が86.9%で最高と指摘。多量の放射線下で処理に当たった作業員らの健康悪化が深刻であることを強調した。
同国で被ばくした人のうち病気にかかっているのは、大人(10代の子供含む)では82.7%、10歳未満の子供は73.1%。特に血液、血液循環系統疾患、甲状腺(せん)がんが急増しているという。
(共同通信 2000/04/26)