【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

旧型原発の閉鎖を検討 最終処理の遅れで英政府


【ロンドン1日共同】使用済み核燃料の再処理で発生する高レベル放射性廃棄物の最終処理の行き詰まりから、英政府が旧型原子力発電所の閉鎖を検討していることが分かった。2日発売の英科学誌ニュー・サイエンティスト最新号が、英核施設検査局(NII)の内部報告書として報じた。

世界有数の再処理施設を持つ英核燃料会社(BNFL)は英中西部セラフィールド工場内に、1300立方メートル以上の高レベル放射性廃棄物を貯蔵。NIIは安全性の観点から、2015年までに廃棄物をすべて処理するよう勧告している。

しかし、新しいガラス固化プラントの導入失敗による設備不足などで、最終処理に大幅な遅れが生じ「期限内達成が危ぶまれる」(報告書)情勢となった。
このため、NIIはBNFLに対し、再処理作業の一時停止、もしくは減速による廃棄物の発生量削減を勧告。さらに、使用済み燃料の排出量を減らすため「BNFLが運営するマグノックス型(黒鉛炉)原発10基のうち数基の閉鎖もあり得る」と警告するという。
同誌によると、報告書は「高レベル放射性廃棄物の貯蔵量削減計画にはいかなる遅れも許されない」と強調。2015年という期限厳守のためには、いかなる法的措置も辞さない強い姿勢を示している。
NIIの公式報告書は今月下旬にも公表される。

(共同通信 1999/12/02)