【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
ストロンチウム91を検出 茨城県の周辺調査で


東海村臨界被ばく事故で、核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所周辺の放射能調査をしている茨城県は3日、8つの調査地点のうち1地点の大気中から、放射性物質のストロンチウム91を検出した、と発表した。検出されたのは同事業所の南東約900メートルの東海村舟石川の測定地点。

放射能濃度は大気1立方メートル当たり0.021ベクレル。国が定めた限度値500ベクレルの約2万5000分の1で、健康上の影響はないとしている。

ストロンチウム91はウランが核分裂してできる核分裂生成物の一種。これまでに事故現場周辺からは、放射性ガスが崩壊してできたセシウム138が微量見つかっていたが、核分裂生成物が、事業所敷地外に直接放出された可能性が示されたのは初めて。

9月30日午前零時から10月1日午後1時すぎまでの測定で検出した。同県によると、これまでストロンチウム91が周辺の大気から検出された例はなく、半減期が約9時間半と短いことから、事故で放出されたとみられるという。
他の調査地点の空気や水、土壌からは事故で放出されたとみられる放射性物質は見つからなかった。

(共同通信 1999/10/03)