【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
2作業員の被ばく、国内最悪 年間限度量の160倍
茨城県東海村の核燃料工場で起きた事故で作業員3人が運び込まれた放射線医学総合研究所(千葉市稲毛区)は、症状から推定して、3人のうち2人が浴びた放射線量は、少なくとも8シーベルトになるという。これは、職業被ばく者に対する年間の最高線量限度50ミリシーベルトの160倍、一般人に対する年間限度1ミリシーベルトの8000倍。国内の原子力施設で起こった被ばく事故で、これほどの大量被ばくは初めて。
同研究所によると、3人のうち大内久さんと篠原理人さんは意識が混濁しており、リンパ球数が著しく低下するなど重症。無菌室で治療を受けている。横川豊さんは意識ははっきりし、自覚症状はないが、リンパ球がかなり少なくなっている。
放射線の働きで起こる放射線障害には、被ばく後、まもなく現れる急性障害と、数カ月以上の期間を経てから出る晩発性障害がある。今回のは急性だ。
急性障害の場合、被ばく線量が1シーベルトを超えると、一部の人に吐き気が起こる。3シーベルトに達すると、大半の人に吐き気が見られるようになり、皮膚が赤くなったり、脱毛したりする症状も現れる。
晩発性障害は低線量でも起こり、白血病などのがん、白内障などを発症することがある。また、胎児期の被ばくの影響が後に現れることもある。
(朝日新聞 1999/10/01)