【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

米核兵器製造で周辺住民被爆


【ワシントン8日共同】リチャードソン米エネルギー長官は8日、ケンタッキー州のウラン濃縮工場で従業員がプルトニウムを含む粉じんに汚染されていたとのワシントン・ポスト紙の報道を受け、「事実解明の完全な調査」に乗り出すとの声明を発表した。

声明は、事実関係と責任者を解明し、再発防止策を徹底すると述べている。
同紙によると、核兵器に使われる高濃縮ウランなどが作られた同州バデューカの濃縮工場で、1950年代半ばから汚染が始まったが、請負企業が隠ぺいし、今年6月に従業員3人が訴訟を起こした。

長崎大学医学部原爆後障害医療研究施設が7日開いた「原研公開セミナー」で、米ワシントン公衆衛生研究所のサンディー・ロック医師が「核兵器用のプルトニウム製造工場周辺で1940年から72年にかけて、約200万人が被ばくした可能性がある」などと報告した。

セミナーは、放射能の人体への影響を知ってもらおうと開催。長崎市民ら約60人が参加した。ロック医師は、長崎に投下された原爆が製造されたワシントン州のハンフォード核施設周辺の住民の健康調査を実施している。
ロック医師によると、同施設では、プルトニウム浄化工場から放射性物質が排出、約200万人が被ばくした可能性があり、特に、子どもの被ばくがひどかったという
また、セミナーではロシアやカザフスタンの医師らが、旧ソ連の核実験場だったセミパラチンスクの現状などを説明。参加者から「どの程度情報公開されているのか」「核実験の影響は」などと、質問が相次いだ。

(共同通信 1999/08/09)