【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故
米ウラン濃縮工場汚染 政府と企業が隠ぺい ワシントン・ポスト報道
【ワシントン8日共同】米ケンタッキー州のウラン濃縮工場(国有)で、多くの従業員がプルトニウムを含む粉じんにさらされていたことを政府と操業を請け負う企業が隠ぺいしてきたと、8日付の米紙ワシントン・ポストが訴訟記録などを基に報じた。ずさんな安全管理と汚染の隠ぺいが明らかになったのは、同州パデューカのガス拡散方式の濃縮工場。1952年に操業を開始、1800人以上の従業員を抱え、一時は原発燃料の低濃縮ウランに加え原爆に用いる高濃縮ウランも製造していた。
同紙によると、工場はウラン専用の設計だが53年ごろから、原発使用済み燃料から分離したウランが使われるようになり、混入したままのプルトニウムの汚染が広がった。汚染は50年代半ばから70年代がひどかったが、操業を請け負う企業が隠ぺい。90年代になっても汚染は続いているとして、今年6月、従業員3人が企業側を相手に提訴した。
請負企業の1つ、マーチン・マリエッタ社が92年にまとめた報告書は、工場が重大な環境問題を抱えているとし、従業員に放射線被害が出る恐れも指摘していたことが分かった。工場を所管するエネルギー省は汚染があったことを一部認める一方で「従業員らの健康が懸念されるような汚染ではない」との立場を取り続けている。
(毎日新聞 1999/08/09)