【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
使用済み核燃料輸送容器 遮へい性能試験値改ざん
規定を満たさず
原子力発電所から出た使用済み核燃料を青森県六ケ所村の再処理施設まで輸送する容器の製造試験で、データの一部が改ざんされていたことが7日、明らかになった。容器に封入する中性子遮へい材の性能が規定より低かったのに、製造指導した企業が数字を書き換えていた。
この企業は日本原子力発電の全額出資会社の原電工事(東京・千代田区、塚田浩司社長)。同社は「遮へい性能に影響を及ぼすレベルでなく、実際の輸送に使った容器の放射線量は規定を下回っている」と説明している。ただ、科学技術庁は容器の遮へいデータを再確認するよう指示するとともに、関係企業の調査に乗り出す。
遮へい試験は96年3月に実物大の容器模型で実施した。ところが今月6日に報道機関からデータ改ざんの問い合わせがあり、原電工事が調査したところ、同社の担当課長が遮へい性能の目安となるホウ素濃度の一部を実際より高い数値に書き換えさせたという。
使用済み核燃料は今月2日、初めて輸送された。輸送を担当する原燃輸送(東京港区、中島光夫社長)は「容器全体の安全性に問題はなく、(今月下旬に予定されている)今後の輸送は計画通り進めたい」と話している。
(日本経済新聞 1998/10/08)