【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

長崎原爆生産の米施設 放射性廃棄物漏れ 地下水汚染


【ワシントン28日共同】

世界最初の原爆「トリニティー」や長崎に投下された原爆「ファットマン」を生産した米最大の核兵器用プルトニウム生産施設、米ワシントン州のハンフォード核施設で、貯蔵タンクから漏れた高レベル放射性廃棄物が地下水にまで到達し、地域住民の健康への影響が懸念されていることが、28日までに米エネルギー省の報告書で判明した。


エネルギー省が今年2月に発表した3つの報告書によると、同施設中央部にある「200東」「200西」地区にある3つの地下タンク群から漏れた高レベルの放射性廃棄物が、地下水に到達。半減期21万年のテクネチウム99、ヨウ素129、トリチウムなどが、飲料水の含有基準の20倍などの高い濃度で検出された。
同施設では過去に低レベル放射性廃棄物を溝などに捨てる作業をしたが、報告書は検査用の井戸の設置場所や検出された物質などから、旧式で寿命20年程度の貯蔵タンクから漏れた廃棄物であると結論付けた。


<ハンフォード核施設> 米国の原爆製造計画「マンハッタンプロジェクト」で1943年に建設開始。原子炉冷却用の大量の水をコロンビア川から得られることから選ばれた。44年9月に第1号のB炉を完成し、以後、米最大の兵器用プルトニウム生産施設に。最盛期には約5万5000人が働き、米国の核兵器用プルトニウムの3分の2を生産した。91年に軍用原子炉の閉鎖を宣言したが、半世紀にわたる活動では低レベルの放射性廃棄物も大量に地中に捨てられている。

(中日新聞 1998/03/29)