【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

プルトニウム輸送容器検査ねつ造 動燃の違法行為13件


動力炉・核燃料開発事業団(動燃)は24日、フランスからプルトニウムを運んできた輸送容器の使用期間を更新する際、実際にはしなかった検査をしたように記録をねつ造して申請していたことが分かったと発表した。原子炉等規制法に違反しており、動燃は容器の使用の廃止届を科学技術庁に提出した。
同時に公表された安全性総点検の中間結果では、他にも何らかの改善措置が必要な問題は計約1700件にも上り、検査記録のねつ造のような違法行為も13件あった。動燃は「早急な安全対策を必要とする例はない」と説明しているが、動燃のずさんな体質はもちろん、問題を見過ごした科技庁の甘い規制も問題になりそうだ。
記録がねつ造されたのは、1992-93年にあかつき丸がフランスからの返還プルトニウムを運んだ際に使った輸送容器。輸送後は茨城県東海村の動燃東海事業所で保管されており、3年ごとに定められている使用期間の更新手続きを95年に実施した。
原子炉等規制法によれば、使用する目的がある場合、133基の容器すべてについて気密性などを検査しなければならないのに、実際には40基の抜き取り検査しかせず、未検査分のデータはねつ造して申請した。
容器全部の検査には約3カ月もかかるため、抜き取り検査で済ませたらしく、その後の毎年1回の自主点検も抜き取り検査を続けていた。
これらの容器を使うプルトニウム輸送計画は当面ないため、動燃は24日、科学技術庁に使用の廃止届を提出した。
また同時に公表した総点検の中間結果で、東海事業所から新型転換炉原型炉ふげん(福井県敦賀市)に燃料を運ぶ容器の一部を国の承認を受けずに使ったことも判明した。

(中日新聞 1997/10/25)