【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

核施設13以上で異常 雨漏りや腐食、さび
動燃の東海事業所 科技庁と茨城県調査


動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所(茨城県東海村)の低レベル放射性廃棄物貯蔵施設での放射性物質漏れに関連して、科学技術庁が所管する主な原子力施設の廃棄物関連施設で行った現地調査の結果、既に判明した貯蔵施設以外にも東海事業所内でドラム缶や鉄製コンテナの腐食、雨漏りなどが13施設以上あったことが11日分かった。同庁が調査した全国38カ所の事業所のうち、安全管理上問題があったのは動燃東海事業所だけとして、動燃に対して改善措置を指示した。
また、科技庁調査に続いて茨城県も9月9日から県内の23事業所への一斉立ち入り点検を実施。東海事業所内の35施設のうち8施設で問題点を発見したが、他の事業所にはなかった。同県も同事業所に口頭で改善要求した。
科技庁や同県によると、同事業所で全般的にコンテナやドラム缶のさびや表面塗装のはがれや腐食が放置されていたほか、プルトニウム系低レベル廃棄物の貯蔵施設の床には数十カ所水たまりがあり、壁面のしみや鉄骨支柱のさびも確認した。ウラン系の廃棄物貯蔵施設では換気装置からの雨漏りもあった。
また、火災・爆発の起きたアスファルト固化施設でドラム缶に詰めた廃棄物を貯蔵する施設では、監視カメラの台車が故障して、正常時の3割の範囲しか撮影できないことが判明。しかし科技庁には全体が異常なしと報告されていた。動燃は昨年12月に故障に気付きながら「予算が下りない」などの理由で放置していたという。
科技庁や県は、安全上直ちに問題はないが他事業所に比べて管理状態の差が歴然とあると指摘。動燃は「社会との感覚のずれを教育や人事を通じて意識改革させるしかない」(中野啓昌理事)としている。

(中日新聞 1997/09/12)