【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

動燃爆発事故 火災直後の写真処分 所長らに報告せず


動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所(茨城県東海村)アスファルト固化処理施設の火災・爆発事故で、火災直後に施設内に入った運転員らが撮影した写真が存在していたにもかかわらず、同事業所長などに報告のないまま処分されていたことが29日分かった。「事故隠し」の疑いも出てきたことから科学技術庁は、30日にも動燃から詳しく事情を聴く。
動燃の虚偽報告事件を原子炉等規制法違反容疑で調べている茨城県警捜査本部もこの事実に重大な関心を示しており、この日午後、撮影した運転員とともに施設内に入った東海村消防本部の消防員らから撮った写真の内容などについて事情を聴いた。
写真は3月11日午前の火災発生後の同日午後1時34分ごろから約10分間、消火確認の「第1班」として同消防本部の消防員1人とともに施設に入った下請け会社の運転員2人が撮影した。事故現場のアスファルト充てん室ものぞき窓などから撮影しており、写真は同施設を管理する同事業所環境施設部処理第1課に渡された。
ところが、撮影の事実は事業所長や本社には報告されなかった。写真があったことは、科技庁による原子炉等規制法に基づく告発後、同社本社が組織した特別調査班の聞き取り調査で発覚したという。
撮影写真は、フィルムごと民間現像所に外注して現像などを処理、その後複数の職員が写真を見るなど存在を確認している。動燃は「だれがいつ、どういう理由で処分したかはまだ調査中」としているが、写真は意図的に廃棄された可能性が強いという。

(中日新聞 1997/04/30)