【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

米軍基地で放射能漏れ 38年前、ロンドン西郊 英紙報道

【ロンドン14日高島良樹】英国内の米軍基地で38年前、放射能漏れがあったことが明らかになった、と14日付の英紙サンデー・テレグラフが報じた。同紙報道は、英国の反核団体「核軍縮運動」(CND)が入手した英国防省の極秘の報告書に基づくもの。
それによると、事故が起きたのは1958年、ロンドン西郊のグリーナムコモン空軍基地(現在は閉鎖)で、飛行中のB47爆撃機がエンジントラブルを起こし、燃料タンクを投棄した。このタンクが、同基地に駐機中だった別のB47爆撃機の近くに落下したため、同機が火災を起こし、2人が死亡、火災は4日聞くすぶり続けた。
英国防省や米空軍は当時、火災を起こした爆撃機が核兵器を搭載していたことを強く否定した。しかし3年後、英政府が派遣した科学者の調査で、同空軍から約16キロ離れた地点で、通常の100倍もの放射能を観測した。科学者らは汚染の唯一の可能性として、事故を起こした米軍爆撃機が核兵器を搭載しており、火災でウランとプルトニウムの粉末が漏れたと結論付けた。
CNDは、こうした結論を導いている極秘の報告書を入手。「この事実は英米両当局にもみ消された」と主張している。今回の報道は人口約11万人の基地周辺地区で、子供の白血病が多発している事実に再度、光を当てることになるとみられている。

(中日新聞 1996/07/15)