【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

ナトリウム外部放出 事故時 換気ダクト通じ200キロ

高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の昨年12月のナトリウム漏れ事故で、換気ダクトを通して約200キロのナトリウムが外部に放出されていたことが、2日までの動燃の調べで分かった。
動燃は1日、ナトリウムが漏れた2次系配管室をはじめ原子炉補助建屋内の床や壁、機器類の表面に残ったナトリウムの回収・除去作業を昨年12月の事故直後から、約半年ぶりに終えた。回収されたナトリウム化合物の量は約803キロで反応前の純粋なナトリウムでは約467キロに相当する。動燃は、回収が難しい換気ダクト内部にも約20キロの化合物が残っているとみている。
事故で漏れたナトリウムの総量について、科技庁は事故報告書で約700キロと推定しており、回収したナトリウムとの差のうち200キロ前後が換気ダクトを通じて外へ放出された、と判断した。事故再現実験による1秒当たりの漏えい量(50グラム)と換気ダクトの推定運転時間(約1時間)からも裏付けられる、という。
空気中に出たナトリウムは空気と反応して酸化ナトリウム、水酸化ナトリウムになった後、二酸化炭素に触れて炭酸水素ナトリウム(重曹)になるため、動燃は、ナトリウムの外部放出による環境への影響はない、と説明している。

(中日新聞 1996/07/03)