【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
もんじゅの事故原因 金属疲労と断定 科技庁調査班
高速増殖原型炉「もんじゅ」の事故原因について、科学技術庁の事故特別調査班は21日、ナトリウムの流れでできた渦による振動で、温度計のさやが金属疲労を起こして亀裂が入り、これが広がって破断したと断定した。さやが揺れやすい振動数(固有振動数)と、渦の振動数が極めて近かったため、激しく揺れる「共振現象」が起こったと推定している。こうした共振は、事前の解析では予測していなかった。温度計の構造にも揺れによる力が集中しやすい欠陥があったため、短期間で破断したとみられる。
動燃や温度計を設計した東芝、科技庁金属材料技術研究所などの実験や解析で、金属疲労が原因と結論づけた。
動燃によると、渦による振動は、ナトリウムの流れが秒速3メートルを超えると目立ち始め、同5-6メートルでは共振することがわかった。この流速は、出力60-100%での運転時に相当するという。
動燃は1992年5月から8月の間に計約720時間、出力100%を模擬して、事故のあった配管にナトリウムを流す試験をしており、同調査班はこの試験中に亀裂が入ったと断定した。
(朝日新聞 1996/03/22)