「もんじゅ」設計・品質管理 分担企業に任せきり 動燃

ナトリウム漏れ事故を起こした動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)は、原子炉や1、2次冷却系など重要機器の設計を、分担した国内の原子炉メーカー4社に任せたままで、ナトリウム漏れにつながった温度計などの部品の品質管理もすべて担当メーカー任せだったことがわかった。動燃は施設全体の設計の妥当性を評価し、問題点を改善すべき役割を果たしておらず、福井県などは「企業間では技術、情報の交換が難しく、規格もばらばら」と指摘。国による設計、安全性チェックの体制不備もあらためて問われることになった。
もんじゅにかかわったメーカーは、三菱重工業、日立製作所、東芝、富士電機の4社。
動燃によると、各部分ごとに希望を募り、動燃が最適と決めたメーカーに設計と工事を発注した。この結果、原子炉容器と蒸気発生器は三菱、1次冷却系と過熱器は日立、2・3次冷却系やタービンは東芝、核燃料貯蔵槽などの取り扱い設備は富士電機が請け負った。このため、配管温度計も1次系は日立、2次系は東芝が担当し、規格などがそれぞれ違っている。

(朝日新聞 1996/01/11)