【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

「もう危ない」と室外へ もんじゅ事故直後 生々しくビデオに

科学技術庁が22日、福井県敦賀市にある動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の高速増殖原型炉「もんじゅ」の建設所で押収した事故から6時間半後のビデオ映像には、ナトリウム化合物の白煙がたちこめ、雪のように降り積もっている1次系配管室の様子が克明に映っていた。漏えい個所の配管下に多量のたい積物がはっきりと確認でき、この段階で、動燃が事故の概要をつかんでいたことが裏付けられた。映像は現地のもんじゅ建設所などで22日午後、報道関係に公開された。
ビデオは9分30秒ほど。銀色の防護服やヘルメットに、空気ボンベを背負った重装備の職員数人が、漏えい個所を調べに行く姿を、家庭用の小型ビデオカメラでとらえている。
2人の職員が配管室の扉を開けて中に入ると白煙がたちこめ、視界は数メートル程度。通路には、白いぬるぬるとした劇物の水酸化ナトリウムなどの化合物が積もり、足跡がくっきりと残った。「シュー、シュー」とボンベの音がし、職員らは「すべるよ」と声をかけあって、そろりそろりと奥に向かって進んだ。
30-40メートル進んだところで、配管下の床にナトリウム化合物がたい積しているのを確認。「もう、危ないよ」という声が聞こえたあと、室外に出た。

(朝日新聞 1995/12/23)