【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

「もんじゅ」ビデオ問題
動燃所長「編集を指示」 副所長は口止め

動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故で、動燃が撮影したビデオの核心部分を隠す編集をしていた問題で、大森康民・もんじゅ建設所長は21日、福井県敦賀市のもんじゅ建設所で記者会見し、「私の方から分かりやすく編集してくれと言った」と、編集の指示をしていたのは大森所長自身であったことを初めて認めた。
また、編集に当たった佐藤勲雄副所長が撮影者に元テープの存在の口止めをしていた事実も明らかになった。
ビデオは事故直後の9日午後4時10分ごろから、2台のカメラで約11分と4分、並行して撮影された。撮影の直後に佐藤副所長が現場の状況を報告した際、大森所長が「内容がよく分かるように編集してくれ」と指示したという。佐藤副所長は「空調ダクトが取れている部分などは刺激が強すぎるのでカットした方がいい」と判断し、1分間に編集した。
佐藤副所長から、ダクト部分などの削除の報告をうけ、編集後のテープを見た大森所長は「これでいい」と了承した。
また、福井県と敦賀市の立ち入り調査のビデオが公開された後の11日夕、動燃側は新たに4分間に編集し直したビデオを公開。佐藤副所長は「これで元のテープは出さなくていい」と撮影者らに口止めも指示していた。

(朝日新聞 1995/12/22)