【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
動燃再処理工場のタンク穴あき事故? 市民団体が調査要求
茨城県・東海村の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所の再処理工場で92年度に、高レベルの放射性液が通過するタンクに穴があく事故があった疑いがあるとして、プルトニウム利用政策に反対する市民団体「反原子力茨城共同行動」(代表・丹野清秋茨城大教授)は26日、同県に対し調査を求める申し入れ書を提出、県の依頼を受け同事業所は調査を始めた。
同グループは、動燃内部の情報を専門家に検証してもらい、信ぴょう性が高いと判断、調査を求めたとしている。
申し入れ書によると、穴があいたのは、使用済み燃料の溶解液をろ過するろ過器の前工程にあるタンクの溶接部分。このため動燃は20億円相当の費用をかけ、再処理工場の運転停止期間中に補修したという。
溶解液は放射能のレベルが高く、事故があったとすれば自治体への報告義務を定めた安全協定に連反する、としている。
同県原子力安全対策課の大森国雄総括補佐は「トラブルなどはなかったように記憶している。動燃側の調査を待ちたい」と言っている。一方、動燃東海事業所の小林純一広報係長は「昨年2月から今年9月まで工場を計画停止し点検したが、異常は見当たらなかった」としている。
科学技術庁の道正久春核燃料規制課長の話 申し入れは、パルスフィルターという、ろ過器に溶解液を送り込む給液槽を指していると思われる。事故があったのか動燃に調べさせている。大事故があれば、原子炉等規制法に基づいて報告が入る事になっているが、現段階では動燃から事故報告を受けたことはない。
(中日新聞 1993/11/27)