【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
ロシア海軍の専用船 日本海に核廃棄物投棄
環境団体が放射能測定 通常の10-70倍
国際環境保護団体グリーンピースによると、ロシア海軍の放射性廃棄物の海洋投棄専用船「TNT-27」が17日午前8時ごろから、ウラジオストクの南東約200キロ、北海道・奥尻島の西方約450キロ沖の日本海で、液体放射性廃棄物の投棄を始め、夕方までに終えた模様だ。外務省は16日、モスクワの日本大使館を通じてロシア政府に事実関係を照会しているが、17日夜までに回答はない。しかし、インタファクス通信によると、ロシア環境天然資源省のアミルハノフ次官は、今回の投棄を認めるとともに、国際機関や関係国には事前に通告したとしている。
日本政府としては、海洋投棄規制条約(ロンドン条約)に違反する放射性廃棄物の投棄が確認されれば、直ちに中止を申し入れる方針だ。
「TNT-27」を監視している調査船「グリーンピース号」からグリーンピース・ジャパンに入った連絡によると、16日朝、パブロフスクの原潜基地を出港した「TNT-27」と、放射能をモニターする調査船「ペガス」は、同夜遅く、「第9海域」と呼ばれる投棄点に到着した。
17日朝、「グリーンピース号」から小型エンジン付きボートを下ろし、5人の乗組員が放射線防護服を着て「TNT-27」から15メートルの距離まで接近した。検知器で大気中の放射能を測定したところ、自然界のバックグラウンドの約10倍から70倍の放射能を検出したという。
液体放射性廃棄物は同船から海水面下につながっているパイプを通じて直接、投棄されている模様だという。液体廃棄物は、解体された原潜で使われていた冷却水など、約900トンとみられている。
午後6時には投棄点を離れ、パブロフスクの基地に向かって戻りつつあるようだという。しかし、グリーンピースは、投棄作業が終わったわけではなく、約900トンの液体廃棄物をもう一度、積み込むために帰港しているとみている。
甲板上には、6、7個の大きさの違う金属製コンテナが並んでおり、その中には固体放射性廃棄物が入っているとみられるという。
(朝日新聞 1993/10/18)