【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
放射線被ばく180人労災申請へ 元原発作業員ら
原子力発電所で働き、白血病になったのは作業中に放射線に被ばくしたためだ、として全国の元作業員ら約180人が年内にも集団で労災認定を申請する。原発作業による被ばくでは、福島県の原発で働いていて白血病で死亡した作業員に労災認定が認められたほか、兵庫県の労働基準監督署などに個別の申請が出ているが、集団申請の動きは初めて。
集団申請を取りまとめているのは「原発被曝(ひばく)労働者救済センター」(神奈川県平塚市)の平井憲夫代表世話人。
同センターによると、全国各地の2000人近い人からこれまでに相談を受けた。このうち、医師が白血病と診断したり、甲状せんの異状や白血球の減少などの症状があると認定したりした約180人が労災認定を申請する。
ほとんどが下請けの作業員で、福井、福島、静岡県、などの原発を回り、原発の定期検査で原子炉格納容器内などの機器の点検、補修にあたっていた。
多い人で年間20シーベルトの放射線を被ばくしており、原発の労働環境について原子炉等規制法が定めた被ばく限度である「年間50ミリシーベルト」には達していない。平井さん自身も申請を予定している。
(朝日新聞 1993/06/05)