【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

放射性廃棄物 海洋投棄を続行 ロシアが白書で方針発表

【モスクワ8日共同】

ロシア大統領府は8日、原子力潜水艦などの老朽原子炉や放射性廃棄物の海洋投棄を今後も続ける方針であるとの白書を発表した。
白書は、日本海やカムチャツカ沖の太平洋に長年、放射性廃棄物を捨ててきた太平洋艦隊(司令部・ウラジオストク)が、廃棄物の貯蔵、処理施設の建設が遅れているため、当面、海洋投棄を続けざるを得ない状況だと指摘している。
特に原子炉の冷却水など液体廃棄物についてはロシア海軍は、1997年に予定されている陸上での処理施設の稼働までは海洋投棄を完全にやめる用意はないとしている。
太平洋艦隊については、3隻の原子力潜水艦で事故を起こした原子炉が核燃料を積んだまま保存されており、将来、海洋投棄せざるを得なくなるだろうと述べている。
白書は、投棄場所の選定は急を要する問題で、今年夏までに国際的な協力を得て決めるべきだと提言した。
白書はエリツィン大統領の命令で、放射性廃棄物海洋投棄問題政府委員会(委員長・ヤブロコフ大統領顧問)がまとめた。白書によると、液体廃棄物ののか、固形廃棄物の投棄場所はカムチャツカ沖の太平洋、ウラジオストク沖の日本海となっている。原子炉2基も廃棄物に含まれているが、固形廃棄物の投棄場所の放射能調査はこの25年間、行われたことがなかったという。

(朝日新聞 1993/04/03)