【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

放射性廃棄物 海洋投棄、現在も ロシア政府、公式に認める

【モスクワ2日=徳永晴美】

ロシア政府の放射性廃棄物海洋投棄問題委員会メンバーのメ二シコフ・ロシア最高会議環境委員会副委員長らは2日モスクワで記者会見し、旧ソ連が北極海や日本に近い極東海域などで放射性物質を大豊に投棄していた事実を公式に認めた。また、「海軍の極東での液体放射性廃棄物の海洋投棄は、地上の保管基地が満杯のため、残念ながら続けざるをえない」と、現在も投棄が続いていることを認めた。
同副委員長らは、その上で「薄めて、法定限度以下のものを投棄しており、今後の投棄に関しても政府に許可を得るつもりだ」との意向を明らかにした。
また、この日の会見で、ロシアが昨年も数キュリー(1キュリーは370億ベクレル)の固体放射性廃棄物を極東水域で投棄したことを認め、「つい最近固体廃棄物の投棄は停止した」ことも明らかにした。
旧ソ連当局は1985年と89年に、「放射性廃棄物の海沖投棄は行っておらず、今後も行わない」と公式に表明していたが、同副委員長らは「それは事実にそぐわないものだった」と認めた。また、今回の情報公開は国際環境保護団体グリーンピースとの緊密な協力のもとで行われたと強調した。
配布された資料は、原子力潜水艦などの12の原子炉(核燃料抜き)を投棄したことも指摘している。このうち2つは日本海に、1つはカムチャツカ半島の海域にあるという。
このほかにも、北極海には核燃料を搭載したまま事故で原潜が7隻沈没しており、定期的な厳しい監視と放射能測定のための国際協力が必要としている。

(朝日新聞 1993/04/03)