【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
チェルノブイリ原発事故 後遺症で600人死亡 ウクライナ保健相公表
【キエフ(ソ連ウクライナ共和国)21日=渥美好司】
チェルノブイリ原発事故5周年を前に20日、ウクライナ共和国のユーリー・スピジェンコ保健相は朝日新聞記者(渥美)と会見、チェルノブイリ原発事故の後遺症でこの5年間にウクライナ共和国だけで少なくとも約600人が死んだことを明らかにした。共和国政府が具体的に死者数を挙げたのは初めて。これまで連邦政府が発表している事故処理作業による死者数31人と大きく食い違い、今後遺族に対する補償をめぐって共和国と連邦政府との間で対立するのは必至だ。
同保健相は医師チームに命じて、ウクライナ共和国在住の事故処理参加者でこの5年間に死んだ者のカルテを詳細に調べた。その結果、約600人が事故発生時の消火活動や汚染除去作業で大量の放射線を浴びたために免疫機能が衰え、主に心臓血管系の病気にかかり死亡したとの診断を下されていたことが判明した。
(朝日新聞 1991/04/22)