【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
チェルノブイリ事故 死者7000~1万人 被ばく科学者が“真相”

【ロンドン14日共同】

14日付の英紙インディペンデント・オン・サンデーによると、1986年4月26日に起きたソ連チェルノブイリ原発事故の科学調査担当幹部のウラジーミル・チェルノセンコ氏(50)は事故の規模が当局発表よりはるかに大きく、死者が7000人から1万人に達していることを明らかにした。同氏自身が放射能被ばくで余命2-4年と宣告されており、このことも真実を話す動機になったという。
同原発の周囲30キロの避難圏担当のチェルノセンコ氏の話では、事故による原子炉炉心部の損壊状況は国際原子力機関(IAEA)に後日、出された報告よりも深刻で、炉内の放射性燃料190トン中、放出量は報告にあるわずか3%ではなく、60-80%と推定されている。
ソ連当局は事故による死者を31人とし、その後の被ばくによる死者を秘密にしているが、同氏によると死者の多くは、事故後、現場で清掃作業などに加わって被ばくした軍人や鉱山労働者だった。

(中日新聞 1991/04/15)