【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
チェルノブイリ原発事故 原因は設計ミスと運転上の安全無視

【モスクワ19日河野健一】

86年4月に発生したチェルノブイリ原発事故の原因究明にあたってきたソ連の国家原子力・産業技術安全委員会は19日、主要な原因は原子炉の設計ミスにあり、これに安全軽視の運転ミスが重なって事故が起こったとの調査結果を発表した。
タス通信によると、事故を起こした原子炉には制御装置、バックアップ装置など10カ所にわたって安全基準および原子炉建設基準からの逸脱がみられた。設計者はこうした逸脱の結果によって起こり得る危険を考慮せず、また、原子炉の運転に際しても重大な安全無視があったとしている。
同委員会は同種の事故再発防止のため、なお事故原因を徹底的に究明する必要があると強調している。



チェルノブイリ原発事故の約4カ月後、ソ連が国際原子力機関に提出した公式報告書は、事故の原因について「運転員の6つの重大な規則違反」と述べていた。今回の調査結果は人為ミス説を撤回したことになる。
設計ミス説は新しいものではなく、事故後に開かれた国際会議で西側の多くの専門家が指摘していた。日本のある専門家は「ソ連がやっと設計ミスを認めたことになる」と評価している。

(毎日新聞 1991/02/20)