【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
核施設周辺の白血病多発問題 英の3家族、訴訟へ

【ロンドン6日=竹内(敬)特派員】

英国のセラフィールド核燃料再処理施設で働いた経験のある父親がいて、白血病の子どもをもつ3家族が6日、再処理施設の持ち主である英国核燃料公社(BNFL)に総額約50万ポンド(約1億3000万円)の損害賠償を求める要求書を送付した。子どもの白血病は職場での放射線被ばくが原因と主張した司法手続きは初めて。BNFL側は争う姿勢を表明しており、4週間後に、損害賠償裁判に移行することになる。
英国では2月16日、サウサンプトン大学のガードナ一教授らが「セラフィールド工場周辺の子どもの白血病多発は、職場での父親の被ばくが主因」という研究を発表。その後、同工場の安全管理者が「心配ならば、同工場労働者は子どもをつくらないこと」と発言するなど、大きな議論が起こっている。
白血病多発問題では、35家族が訴訟を準備、今夏に始まる予定になっていた。今回の研究発表を受け、父親が同工場で働くケースから3家族を選んで提起することに決めたもの。

(朝日新聞 1990/03/07)