【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
核のゴミに「待った」 米ネバダ、州法で投棄拒否へ
【ロサンゼルス2日=高野特派員】
米ネバダ州議会はこのほど、米国内の原子力発電所から出る高レベル核廃棄物の州内への投棄を認めない法案を可決した。核実験場を持つネバダ州を核廃棄物埋め立て貯蔵場所の最有力候補地としている米エネルギー省の計画を真っ向から否定する態度を鮮明にしたもので、米国の原子力政策への影響も避けられない。
ネバダ州議会当局者によると、この法案は28日に議会を通過し、ミラー知事に送られた。知事の署名があれば州法として成立する運びであり、同当局者は、知事が署名するだろう、といっている。
米国では、国内約100カ所の原発から出る「核のゴミ」が2000年には数万トンにも達すると見られる。エネルギー省は、7万トンを埋め立て貯蔵できる候補地としてネバダ、テキサス、ワシントンの3州を選び、検討を続けていた。中でもラスベガスから百数十キロ北にあるネバダ州ユッカ山系が最有力地とされていた。
ネバダ州議会当局者によれば、今回の法案が州の法律として成立しても、連邦議会の決定によっては効力を持ち得ないことがある。しかし、連邦議会がこうした動きに出れば、司法の場に問題が持ち込まれることも考えられると、ネバダ州議会当局者はいっている。
(朝日新聞 1989/07/03)