【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
核燃料基地近くに模擬弾 米軍のF16が落とす 青森・六ケ所村
【青森】
青森県三沢市の米空軍三沢基地(ジョン・ローバー司令官)所属のF16戦闘機が、飛行訓練中に爆撃演習用の模擬弾1発を同県上北郡六ケ所村の核燃料サイクル基地建設予定地の南約8キロの牧場内に誤って落とし、既に米軍が回収していたことが、24日までに同基地から三沢防衛施設事務所に入った連絡で明らかになった。
昨年9月には、F16が岩手県の山中に墜落しており、膏森県内では今後、三沢基地近くに建設する核燃料基地の安全性をめぐる論議がさらに高まりそうだ。
同事務所によると、戦闘機が模擬弾を落としたのは今月16日。同基地の北約20キロにある三沢対地射爆撃場で通常の爆撃訓練のために基地を飛び立った戦闘機のうちの1機から、何発か装備された模擬弾の1つが搭乗員のミスで落下した。
米軍は16日午後から、飛行訓練ルート付近を捜索。17日早朝に六ケ所村平沼田面木の青森県酪農振興センターの職員宿舎の南側約15メートルのところで、模擬弾を発見し、回収した。模擬弾には爆薬は装てんされておらず、当時落下地点付近には従業員はいなかった。また、牛や畜舎の損害もなかったという。
落下の原因について米軍は「爆弾装着装置などの機械的な故障ではない」と説明している。
三沢基地は、核燃料基地の建設予定地から27キロしか離れておらず、事業者である日本原燃産業によると、米軍機などが予定地の上空周辺を年間4万2800回も飛行している。核燃料基地の一部は平成3年度から操業される予定だが、青森県内では農民を中心に反対運動が強まっており、今回の事故でさらに激化しそうだ。
(中日新聞 1989/03/25)