【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

英国で放射能汚染による白血病論争盛ん

核燃料再処理工場がある英国のセラフィールド(旧名ウィンズケール)周辺では、放射能汚染に起因する白血病への不安がささやかれている。特に1983年にヨークシャーテレビが、セラフィールド近くのシースケールで幼い子供たちに過剰な白血病の発生がある、と報道してからは、住民や医師による真相究明の活動も盛んだ。


これに対して、英中央電力庁と英原子力公社の研究者が書いた放射能汚染を否定する論文が、このほど発行された英科学誌『ニューサイエンティスト』に掲載されている。


この論文は、白血病の発生自体を否定しているのではなく、ヨークシャーテレビによる統計的解析法を批判したもので、「データを見てから(患者の集団ができるように)境界線を引いているようだ。調査の前に線を引くのが本質的。集団の周りに線引きして、本当とは思えないことをつくり出すのは簡単だ」と断じている。この工場については、今年1月、1957年に起きた火災事故の報告が、政府の手で隠されていたことがわかったばかり。原子力反対派の攻勢にさらされている。


(朝日新聞 1988/08/30)