【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

敦賀1号 出力異常上昇で停止 テスト中 操作に失敗

日本原電から1日、県に入った連絡によると、調整運転入りのため原子炉の起動作業中の敦賀原発1号機(沸騰水型軽水炉、出力35.7万キロワット)は同日午前10時36分、出力が異常に上昇し自動停止した。新機器のテストのために通常では行わない低出力を維持しようとし、操作手順を誤ったらしい。


同1号機は7月23日から定期検査に入っていたが、最終段階の調整運転を行うため9月30日に原子炉を起動させた。タービン試験のため一時、原子炉出力を10%余まで上げたが、自動停止した午前10時ごろにはテストのために7%出力状態を維持しようとしていた。


ところが突然、原子炉出力が急激に上昇し始め低出力時の出力を監視する「中間領域モニター」が警報を発信し原子炉が緊急停止した。異常な出力変動は7%の状態から一挙に11%に上昇した。


県原子力安全対策課によると低出力時はちょっとした操作の狂いで出力変動が起きやすい。今回の場合、発電機電圧調整機を取り換えたため、初めてのテストを行った。やったことがない復水器脱気系統圧力調整弁の閉操作で、出力維持をしようとしたため、思わぬ急激な出力上昇を招いたとみられる。操作手順マニュアルにも正確に記されていないことをテストのために安易に行ったことで、発生した可能性が高い。


(福井新聞 1987/10/02)