【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

異常児出産が急増 西ベルリンなど


【ハンブルク10日=時事】

昨年4月下旬のソ連・チェルノブイリ原発事故から約1年たつが、西独の西ベルリンなどで異常児の出産が急増しており、専門家の間では同事故の放射能汚染によるものではないかとの見方が出ている。


西独第一テレビ(ARD)は9日夜、この問題についての専門家による討論番組を放映したが、西独国内で最近、人間や動物の異常児出産、死産が増えていることが報告された。これがチェルノブイリ原発事故による放射能汚染と直接関係があるのかどうかは明らかでないものの、「その可能性も否定できない」との意見が大勢を占め、西独政府の関係当局に早急かつ徹底的な因果関係の究明を求めていくことになった。


西ベルリンの人類遺伝学研究所によると、同原発車放から9カ月後の今年1月、西ベルリンでは10件のダウン症候群の新生児出産が報告され、通常の1カ月当たり2件を大きく上回った。また、西独各地ではこれ以外に、動物の異常児出産や死産のケースも多数報告されているという。
ただ、西独環境省はこれらの報告について、チェルノブイリ原発事故と関係があるとは認められないと指摘している。


(朝日新聞 1987/04/14)