【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
ソ連事故炉 設計基準は米商用炉並み 周囲に堅固な構造物
米専門家分析
【ニューヨーク19日=共同】
ニューヨーク・タイムズ紙は19日、事故を起こしたソ連チェルノブイリ原子力発電所の4号原子炉が鋼とコンクリートの堅固な構造物に囲まれていたことなどが新たに判明、推定されていたほど安全面でずさんな施設ではなく、米国の多くの商業用原子炉(沸騰水型軽水炉)の設計基準とほぼ同等の圧力に耐え得るよう造られていたことが分かったと報じた。
これは米政府や国際原子力機関などが最近集めた技術情報などを基に米国の原子力専門家が分析した結果分かったもの。
専門家によると、同原子炉は炉心の下に過剰な水蒸気を吸収する大きな水槽を持ち、炉の周囲には火災を防ぐ窒素ガス容器があり、西側原子炉と同じタイプの最新式制御機器を備えている。またケーブル類は複線化してよく保護されており、問題が起きた部分を遮断するバルブや配管も完備するなどすべて米国の現行商用原子炉並みの設計になっている。
これらの新しいデータにより3年前から稼働していたチェルノブイリ原発4号機がソ連の原子炉の中でも最も新しく、安全な炉だったことがはっきりしたという。しかしこれらの設備が大事故の際、有効に働くようになっていたかどうかは明らかでないという。
(朝日新聞 1986/05/20)